2008年11月8日土曜日

Presidential election



火曜日の大統領選でハワイ生まれのバラク・オバマ氏が初の黒人大統領になりました。

ハワイはもともと民主党優位ないわゆるBlue stateですが、彼がハワイ出身ということもあって今回の選挙ではハワイの有権者の75%がオバマに投票したそうです。学校でもみんな選挙の結果に満足そうだった。

写真は姉が送ってくれたフロリダの街の様子。フロリダは選挙の結果を大きく左右する重要な州なのでもっと盛り上がったみたいです。


オバマの勝利はハワイに住む人にとって単なる誇り以上の大きな意味を持ちます。


ハワイには固有の文化があり、人種の多様性、地理的条件とそれによる特殊な経済構造など、いろんな面で他の州とは大きく違った性質を持っています。したがって抱えている問題も違う。


例えば、ハワイの健康保険は他の州に比べて格段に高い。クラスメイトによると、コネチカット州では、学生の健康保険は1セメスターにつき$300前後。それで医療費全てがカバーされるのに対して、ハワイでは学期に$800払っても医療費の70-80%しかカバーされない。医療の質は高いけど、保険料が高くて低所得者には買えないのが現状。これは自分も実際に体験しているので深刻さがわかります。この状況で、オバマの掲げるUniversal health careという政策に共感する人が多かったようです。


そしてハワイ経済も深刻な問題を抱えています。主産業である観光が成熟段階にありこれ以上の成長が困難なうえ、不況により観光客が激減。ホテル業界では毎日密かに数百人が解雇されているという噂だし、今期卒業のクラスメイトは就職難で苦労しています。オアフ島では人口の80%が観光産業に携わっているので、この状況は直接人々の生活に影響を及ぼしている。


こういったハワイ州の現状を肌で理解している人が大統領になったことは、ハワイの人にとってすごく心強い。オバマの革新的な経済政策にみんな期待しています。アメリカ市民ではないけれど、私も来年の春にはここで職を探さなければいけないので、オバマがあと半年で経済を立て直してくれることにすごく期待している。


今回の選挙でオバマの大きな勝因となったのは、My Spaceなどのソーシャル・ネットワーキング・サービスやテキストメッセージを利用したマーケティングと組織作り。オバマが当選した時、支持者全員にオバマ本人、ミシェル夫人、副大統領のバイデンからThank you mailが届いたそうです。オバマ陣営はITを駆使して浮動票層を取り込み、「チーム・オバマ」の一員としての有権者の忠誠心を高め、いままで大統領選で寄付したことのない人たちからも寄付を集めることに成功しました。 その資金力、さらに資金の透明性(特定の支持者から偏った出資を受けていない)が結局、更なる支持拡大につながったのも事実です。


共和党のマケイン候補について言えば、前ブッシュ大統領の不人気が同党のマケインの人気にも影響したことは間違いありません。政策も全体的にブッシュ政権の延長でした。8月末に美貌のアラスカ州知事サラ・ペイレンを副大統領候補に指名したことで一時リードを奪ったはいいものの、以来、その話題性からマケインより彼女のスピーチが放送されるようになり、しかも、選挙の1週間前にはそのペイレンが「Not ready for vice president」と国民に判断されてしまっていました。さらに、マケインの経験の豊富さは余命の短さと表裏一体。CNNのレポートによるとマケインは健康状態があまり良くないようです。


伝統的な支持基盤や政治的な理由が投票に大きくかかわるので一概にそうとは言い切れないけど、今回の選挙では、老い先短いおじいちゃんとヒステリックそうな女よりも経験豊富な副大統領候補にサポートされた若き黒人大統領候補にアメリカの未来を変えてほしいという浮動票層の意見が表れたのだと思います。

初の黒人大統領ということで敵も多いし、大変な時に大統領になってしまったけど、無事にアメリカを経済危機から救ってほしい。来年の5月までに。

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